こんにちは、たつとら(@tatsutora6) です。
最近やたらと話題のトレパク(トレースパクリ)
以前からこのトレパクについては度々議論になっていて、話題になるのはイラストレーターの方が多いのですが、もちろんデザイナーでもやるのはいけません。
(トレパクではありませんが、デザイナーでも東京オリンピックのロゴの件では話題になりましたね)
ボクもデザイナーの端くれですが、入社1年目の頃や経験年数が浅いときは上司の方からキツく言われたこともあります。
しかしながら、現在はフリーランスでデザインを行なっている人も多いので、デザイン会社に一度も就職せずにトレースにおける著作権の事について詳しく聞いたことがない人もいるかと思います。
「そんなの常識でしょ」と言う人もいるかもしれませんが、知らない人のために以下にデザインをやる上でのトレースにおける著作権について書いていきます。
トレースとは?
トレース(トレス)は、イラストやデザインを扱っている人であれば、ほとんどの人がわかると思うし、最近話題なのでそれ以外の人でも聞いたことがある人もいるでしょう。
トレースは、原画(元の画像)を下に敷き、その上に薄紙を置いて描き写すことです。
絵を描くときに元の絵を真似て描いた人もいるかと思います。
また、パソコンを使ったデジタルの場合でもIllustratorやPhotoshopなどのソフトを使って描き写すこともトレースと言います。
トレースによく似た作業で模写がありますが、模写は元の絵を見ながらそっくり描くことです。
模写の場合はイラストを描く技術が必要となりますが、トレースはそっくりそのままなぞって描き写すので、構図など元の画像と変わらないぐらい正確に描き写すことができます。
実際ボクもデザインの専門学校に通っていた時は、トレースを授業で習ったこともありました。
トレースを行うことでパスを描く練習になりますし、続けて行なっていくことでデザインのレイアウトやバランス感覚を養うことができます。
トレースで著作権違反になるのは
デザインにおける著作権は、デザインを制作したデザイナーに帰属します。
よってクライアントから依頼されて作成した場合でも、著作権はデザイナーにあります。
ただ、著作権は双方の合意があれば譲渡が可能でデザインの依頼を受ける際、契約書にその条件が盛り込まれている場合もあるので契約する場合は注意しておきましょう。
もちろんトレースする際も元の画像を描いた人や撮影した人、デザインした人に著作権があります。
よって、トレースして商品化したりデザインとして提出、SNSで発信することでさえ著作権の侵害に当たります。
またクライアントから依頼されたときも、クライアントにしっかりと著作権元を確認するようにしましょう。
ボクの経験上、意外とそういうのにいい加減で曖昧なクライアントもいたりするので怪しい場合は依頼を受けなかったり、別の案を提案する事も必要です。
ただ背景の一部やパーツとして少しだけトレースしたものを入れたいと思う場合もあるかもしれません。
著作権は、指摘や訴えられたら終わりですが、背景やパーツの一部であれば指摘される事は少ないでしょう。
しかしながら、指摘される可能性はゼロではないので使用する際は責任持って使用するようにしましょう。
なお、著作権を侵害した場合の罰則は以下になりますので気をつけてください。
著作権侵害は犯罪であり、被害者である著作権者が告訴することで侵害者を処罰することができます(親告罪。一部を除く)。著作権、出版権、著作隣接権の侵害は、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金、著作者人格権、実演家人格権の侵害などは、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金などが定めれれています。
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著作権について利用規約は確認しておきましょう
画像素材サイト
次にデザインでは、フリーの素材や購入した素材などを利用することもあるかと思いますが、そういう素材をトレースして使うことはいいのでしょうか?
結論から言うと、そういう素材にも著作権はあるのでトレースして作品や商品として利用するのはアウトになります。
実際、そういうサイトの利用規約を確認すると次のように書かれています。
◾️画像素材サイト「PIXTA」
◾️無料画像素材サイト「ぱくたそ」
クラウドソーシング
更にフリーランスの人であれば、クラウドソーシングを利用する事もあるかと思います。
もちろん制作物を提出する際、トレースを使ったデザインは禁止です。
クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングを利用する場合は、まず最初に利用規約を確認するようにしましょう。
クラウドワークスでももちろん著作権についての記載はあります。
どのサービスにも著作権のことについては必ず書いてあるので目を通すことは必要ですね。
まとめ
以上、簡単にまとめてみましたが、トレースはデザイナーにとっては技術の習得のための練習として役に立つ作業です。
疑わしき物は作品やSNS投稿などは控えて、自分自身で楽しんだり、練習のためにやってくださいね。